Uターンに際して、東京都内で購入していたマンションが一つの懸念材料でした。
賃貸にする考えもありましたが、査定の結果、キャピタルゲインが見込めたので売却の判断に至りました。
実際にマンションを売却した経験をもとに、査定〜売却まで一連の流れを紹介します。

一括査定で物件の価値を確かめよう!
不動産会社との相談は納得するまで行おう!
売買に関する書類は大事に保管しておこう!
売却前の状況
購入したのはリーマンショック後の2010年4月で中古マンションは買い手市場でした。
10年ほど賃貸のアパートで一人暮らしを経験し、結婚する相手も予定も全くない状況だったある日のことです。
毎月の家賃よりも住宅ローンの支払いの方が安くて、広さや立地条件も良い物件に住めることを知った私は、都内のターミナル駅から一つ離れた駅が最寄りの中古マンションを購入しました。
具体的な物件内容は割愛しますが、単身者が生活するには充分な広さで、都心に近く生活はとても快適で、職場から距離の遠かった以前のアパートの家賃より幾分高い支払いのローンも組むことができました。
それから約10年後、地元千葉へのUターンを決意したものの、居住用に購入していたマンションが簡単に引っ越しできない理由となり、貸すか?売るか?と頭を悩ませていました。
居住用の金利が低い住宅ローンを組んでおり、賃貸にすると投資用で再契約が必要と判明したので、マンション売却に意思が傾きました。
査定によりマンションの価値を知る
最初の行動は、マンションの価値を確認するために査定することです。
おおよその相場はありますが、不動産会社によって評価金額は異なるので、複数の業者に査定してもらいましょう。
実体験で査定金額の最安値と最高値で1.4倍ほどの開きがあり、1社だけでは本当の価値は分かりません。
不動産売却の専門サイトを利用すれば、一括で複数の会社から簡易査定を受けられるので、相場価格の確認や不動産会社の選定に活用できます。
また、チラシなどで地元に強いネットワークを持つ業者もあるので、インターネットに加えて情報収集するのも良いでしょう。
簡易査定から2〜3社に候補を絞り、実際に物件を見てもらって販売価格の指標となる本査定を依頼します。
この時点では何の契約もしていないので、特別に掃除するなどの準備は必要ありません。
査定額以外に、販売実績や販売支援のサービスなど業者のセールスポイント、営業担当者の応対などから判断して業者を判断します。
私の場合、最高値ではないものの法人顧客を持ち早期売却に強みを持っていることが決め手となり、大手不動産会社と媒介契約を結びました。
営業担当者と販売金額以外に自分の求めている要望をしっかりとトコトン話し合うことで、納得できる不動産会社に出会えるはずで。
売却の契約を結ぶ
不動産会社との媒介契約には、「専属専任媒介」、「専任媒介」、「一般媒介」の3種類あります。
媒介契約には「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があります。「専属専任媒介」と「専任媒介」は仲介業務を1社にしか依頼できませんが、「一般媒介」は複数の不動産会社に仲介を依頼することができます。ただし、購入の仲介を依頼する場合は、「一般媒介」を締結することになります。(専属専任媒介や専任媒介を締結することはありません。)なお、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」がありますので、以下の説明を踏まえて、自分に合う契約を選択しましょう。
公共社団法人 全日本不動産協会
私は「専属専任媒介」で契約を結びました。
複数の業者とやり取りするのが煩雑で、1回/週に進捗状況の報告を受け取れることにメリットを感じたのが理由です。
なお、この段階で売り出し価格、手数料の比率なども決定します。
購入した時の契約書、登記書類などの書類一式を用意しておき、ローン残高も把握しておきましょう。
売却活動の開始
いよいよ売却活動のスタートです。
不動産会社の営業担当者と相談し、売り出し価格は相場並みに設定した上で、少しでも早く売れる場合の買主と折衝できる値引き材料も準備しました。
個人的には、部屋の大掃除に取り掛かり、お客さんがいつ来ても良い状態を整えました。
契約締結から数日後、内見したいとの連絡が入りました。
お相手はリフォーム物件を扱う業者で、一般的な内見とは異なり、室内の測量や電気、水道の配線・配管を調査するのが主でした。
内見の翌日に営業担当者から再度連絡が入り、値引き材料いっぱいで購入したいとの相談で、早期売却は希望の一つでもあったので、減額に応じて売却を進めるように依頼しました。
こうして媒介契約の締結から1週間くらいで売却先が決定したのです。
決済と引き渡し

売却決定の翌週に不動産売買契約を締結しました。
権利書や印鑑など不動産会社から事前に連絡を受けていた持ち物を準備して臨み、契約自体は1時間もかからずに無事に締結に至りました。
引き渡し日の午前中に決済を行うため、当日までに準備が必要な書類や銀行との手続きなどの説明を受けて売買契約のこの日は終了です。
引き渡しまでは、必要書類を揃えるのはもちろん、引っ越しに関係する手続きと準備全般、銀行へのローン抹消の手続きと忙しい日々を送っていました。
引き渡しの数日前に引っ越しも終了し、全ての準備が完了したことを確認して決済と引き渡しの当日を迎えました。
決済には司法書士の先生も同席し、銀行からの振り込み確認の連絡を受けたり、登記手続きの説明や引き渡しに関する書類にサインをしたりと売買契約時よりも時間を要しました。
不動産会社の選定からここまで、約2ヶ月の出来事で早期売却できたのは、ラッキーだったと言えるでしょう。
確定申告も忘れずに
マンション売却で利益があった場合、確定申告が必要です。
今回、若干ではあるものの購入時より利益があったので、特別控除を受けるための確定申告を行いました。
必要な書類が揃っていれば難しくはないものの、初めてのことなので本当に正しく申告できてるのが不安でした。
住み替えの場合、損失が発生すると所得税が安くなる特例もあるので、不動産を売却した際には税理士に相談する方が良いでしょう。
マンション売却の感想
Uターンで地元に戻ることを決めてから実際の行動に早く移ることができたのは、購入していたマンションが早く売却できたことが大きな要因です。
所有していた物件が都心に近いエリアで、駅からも近いなど条件の良かったこともあります。
それ以上に不動産会社を複数から比較して、営業担当者に自分の希望をしっかりと伝えたことで短期間に売却できたと考えます。
また、スムーズに契約を進めるためにも、契約書や権利書などの重要な書類は、大事に保管してしておいて本当に良かったと感じました。
不動産は、買うにしても売るにしても、人生の中で大きな買い物の一つです。
買い物が大きくなればなるほど、誰しも後悔したくはありません。
売却を考える人に少しでも参考になれば、この体験を紹介して良かったと思えます。